東日本大震災から10年 ~飼い主として災害に備える~
こんにちは。
獣医師の秋山牧子です。
2011年3月11日に発生した東日本大震災から、今日で、10年ですね。
当時、私は名古屋の動物病院で勤務医をしていましたが、その日はちょうど獣医内科学アカデミーという学会があり、地震発生時、横浜にいました。
講演をきいている最中に建物が揺れ、後でわかったことですが、震度4~5の地震が2分以上続きました。
避難先の建物の窓からは、遠くに、火災による炎と煙がみえ、テレビに映った津波の映像に、愕然としました。
断続的に起きる余震に恐怖を感じながら、続々と届く被災現場からのニュースに、心を痛めました。
地震後、しばらくは、避難用品・備蓄用品を家に準備していましたが、年月が経つにつれ意識は薄れ、いつのまにか避難リュックに用意していた水なども期限が切れていきました。
震災から10年、改めて、明日起こるかもしれない災害を、意識しておかなければいけないなと、思いました。
そこで、今日は、環境省から出されている、
「人とペットの災害対策ガイドライン」
の一部をご紹介します。
★備えておきたいこと★
・迷子対策をしておく
「災害発生時には、ペットと離れ離れになってしまう場合もあるため、ペットが保護された際に飼い主の元に戻れるように、所有者明示をしておく必要がある。」
具体的には・・・「首輪と迷子札、マイクロチップ、鑑札の装着(犬)」
マイクロチップは注射で首の後ろあたりの皮膚の下に入れます。当院でも装着できますので、ご希望の方はご相談ください。
・避難用品を用意しておく
「ペットを避難させるために必要な避難用品の例
犬の場合
●首輪とリード(逸走対策として小型犬などはリードを付けた上でキャリーバッグに入れる)
●クレートやケージ(扉のついたもの)
●犬用靴下やバンテージ(大型犬を徒歩で避難させる場合、瓦礫などによる怪我を防止する)
猫の場合
●キャリーバッグやケージ(経年劣化によりプラスチック製の組み立て式キャリーバッグが分解したり、扉が開いたりしないように、ガムテープなどで周囲を固定するとよい。)
ペット用の備蓄品と、持ち出す際の優先順位の例
優先順位1 動物の健康や命に係わるもの
●療法食、薬
●ペットフード、水(少なくとも5日分[できれば 7日分以上])
●キャリーバッグやケージ(猫や小動物には避難時に欠かせないアイテム)
●予備の首輪、リード(伸びないもの)
●ペットシーツ
●排泄物の処理用具
●トイレ用品(猫の場合は使い慣れた猫砂、または使用済猫砂の一部)
●食器
優先順位2 情報
●飼い主の連絡先と、ペットに関した飼い主以外の緊急連絡先・預け先などの情報
●ペットの写真(印刷物とともに携帯電話などに画像を保存することも有効)
●ワクチン接種状況、既往症、投薬中の薬情報、検査結果、健康状態、かかりつけの動物病院などの情報
優先順位3 ペット用品
●タオル、ブラシ
●ウェットタオルや清浄綿(目や耳の掃除など多用途に利用可能)
●ビニール袋(排泄物の処理など他用途に利用可能)
●お気に入りのおもちゃなど匂いがついた用品
●洗濯ネット(猫の場合は屋外診療・保護の際に有用)など
●ガムテープやマジック(ケージの補修、段ボールを用いたハウス作り、動物情報の掲示、など多用途に使用可能)」
「人とペットの災害対策ガイドライン」より一部抜粋
災害にあわないことが一番ですが、もしもの時のための準備をしておくことが、大事な家族を守ることに繋がるかもしれません。