彦根犬猫病院 Hikone Animal Hospital

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2022年8月27日

安全な麻酔・確実な疼痛緩和のために

今回は、手術と麻酔についてお話をします。

 

当院では、麻酔器、人工呼吸器、生体モニターなどを導入し、滅菌した器具・ガウン・手袋を使用して手術を行っています。縫合糸は医療用の糸を用い、合併症の少ない糸を選択しています。皮膚以外に使用する糸は吸収糸を使用するため、時間と共に吸収されます。

 

緊急時に迅速に対応できるように、気管挿管(気管チューブ挿入)と血管確保(静脈カテーテル設置)を行います。

静脈カテーテルからは、麻酔薬を投与したり、静脈点滴を行います。

点滴量は自動点滴装置を使用し、体重に応じた適切な量を手術前・手術中・手術後に流します。

 

複数種類の注射麻酔薬と、吸入麻酔薬を組み合わせて麻酔をおこなっています。

昔は、複数の薬剤を投与すると、悪い影響を与えるのではないかと考えられていました。

しかし実際は、鎮静薬や鎮痛薬などを少量で組み合わせて投与すると、単独で用いる場合より、少ない量でも強い効果を発揮し、なおかつ副作用が少ないことがわかり、

複数の麻酔薬を組み合わせて使用することが良いとされています。

 

手術中は気道に挿入した気管チューブと人工呼吸器を接続し、呼吸回数・気道内圧を調節しながら、呼吸管理をします。

 

 

麻酔中は、五感による観察と、生体モニターで下記の項目を注意深く監視しております。

 

【手術中に常時測定し監視する項目】

・心電図

・末梢動脈血酸素飽和度(SpO2)

・血圧

・呼吸数

・終末呼気二酸化炭素分圧(EtCO2)

・気道内圧

・体温

・吸入酸素濃度

・麻酔ガス濃度

 

常にモニタリングを行うことで、適切な麻酔深度を維持することができます。

 

 

鎮痛剤は、疼痛を緩和するために全身投与と局所投与を組み合わせます。

注射で投与し全身に作用させると共に、手術部位に局所麻酔を使用し、痛みを抑えます。

退院時にはわんちゃん・ねこちゃんともに痛み止めの飲み薬を処方しています(避妊手術・去勢手術は、お薬代は手術費用に含まれています)。

 

 

さいごに

 

全身麻酔はリスクを伴う処置です。

リスクをゼロにはできませんが、ゼロに近づけるために、安全性の高い麻酔方法を採用し、万が一、異常(薬剤に対するアナフィラキシー、麻酔薬による悪性高熱など)が起こった際にも、いち早く発見し速やかに対処できる環境を整え、手術に臨んでおります。

また、患者さんが痛みに苦しまないように、疼痛ケアを積極的に行っております。

 

手術や麻酔に関してご不明な点がございましたら、いつでもお尋ねください。

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