彦根犬猫病院 Hikone Animal Hospital

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2025年2月17日

がん学会参加報告&猫の肥満細胞腫

こんにちは。

獣医師の秋山牧子です。

 

先月、獣医がん学会に参加するため大阪にいってきました。

 

 

↑会場のホテルニューオータニです。

 

今回のメインテーマは「猫の肥満細胞腫」でした。

 

肥満細胞腫は、肥満とは関係なく、

肥満細胞というアレルギーにかかわる細胞が腫瘍化したものです。

顕微鏡でみると、細胞に顆粒があって膨らんでるようにみえるため、肥満細胞と呼ばれるそうです。

 

 

顕微鏡でみるとこのようなかんじで、顆粒の量はさまざまです。

 

猫の肥満細胞腫の特徴は、皮膚(特に顔や耳)にできることが多く、小さくておだやかなタイプが多いことです。

ただ、徐々に悪くなるタイプや、最初から極悪なタイプもいるので、放置せずに治療する必要があります。

 

手術では、犬の場合はしっかり大きく広くとる必要がありますが、猫の場合はそこまで大きく広くとらなくても良いというのが一般的です。

場所と大きさ等の条件から、局所麻酔でとれるようなら、全身麻酔をかけずに局所麻酔でとることもあります。

小さな病変に対して、ステロイドの局所注射で治療するという報告もありました。

 

皮膚以外に、脾臓や消化管にできることもあります。

脾臓にボスがいて皮膚に肥満細胞腫をたくさんつくるケースもあり、その場合は脾臓をとる手術が必要になります。

 

皮膚のできものはおうちでもみつけて頂きやすいので、定期的にチェックして頂けたらと思います😊

数ミリの、白やピンクのプツッとしたできものとしてみつかることが多いです。

できものをみつけたら、なかみを調べるために、細胞の検査をします。

肥満細胞腫は先程の絵のような特徴的な細胞がとれるので、多くのケースで手術前の診断が可能です。

細胞の検査について、くわしくは過去の記事「しこりには細胞診を」をごらんください。

 

他にも、軟部組織肉腫や扁平上皮癌など、様々な腫瘍の新しい情報を入手して帰ってきました。

 

 

~おまけ~

 

会場に向かう電車がUSJ仕様になっていてかわいかったです。

 

 

マリオのキャラクターの中で、子供がヘイホー(写真上)が好きなので、私もヘイホーファンになってしまいました…😄

 

 

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