彦根犬猫病院 Hikone Animal Hospital

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2025年3月13日

獣医内科学アカデミー:猫の遺伝性多発性嚢胞腎(PKD)の治療アップデート

こんにちは。

獣医師の佐々木です。

 

先日行われた獣医内科学アカデミーで猫の遺伝性多発性嚢胞腎の最新の治療方法とその効果判定についてのセミナーがありましたのでご紹介します。

猫の多発性嚢胞腎は遺伝子変異によって引き起こされる先天性(生まれもって)の腎臓病です。
ペルシャ猫に多いとされていましたが、様々な猫種でみられる病気で、ヒトの常染色体顕性多発性嚢胞腎(ADPKD)と同じようなメカニズムで病気が進行すると考えられています。

ゆっくりと病気が進行する緩徐進行型と急激に腎不全になってしまう急速進行型があり、今までは猫では緩徐進行型で腎臓に嚢胞が作られていくのを抑制することができませんでした。

ヒトのADPKD治療薬として認可されているトルバプタンが猫のPKDの緩徐進行型の初期段階で進行を抑制する効果が確認されました。
猫への投与時に気をつけなければいけない点や薬の効果を評価する方法などについて詳しく解説されていました。

 

完全に進行を止めることはできませんし、やや高価なお薬(2.5kgで月2~3万前後)であることと定期的な検査で状態を把握することは必要です。
今後も研究が進むことで進行を抑えるような治療法もなかった病気への対応方法がどんどん出てくることに期待しています。

 

猫の多発性嚢胞腎の薬ついての詳細はお問い合わせください。

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