彦根犬猫病院 Hikone Animal Hospital

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2025年7月7日

猫の尿道閉塞とその原因

こんにちは。獣医師の佐々木です。

先日、尿道閉塞(おしっこが出ない)のネコちゃんが来られました。

腎臓のフィルターで血液がろ過されて、不要なものをまとめておしっこが作られます。

おしっこは腎臓→尿管→膀胱→尿道を通って外へ排泄されます。

この尿道の部分が詰まってしまっておしっこがでないのが尿道閉塞です。

 

これら(腎臓→尿管→膀胱→尿道)をまとめて尿路と呼びますが以下のように分けられます。

上部尿路:左右腎臓と尿管

下部尿路:膀胱と尿道

ネコは特に下部尿路(膀胱、尿道)の病気になりやすいことで知られています。

最近のキャットフードでは下部尿路に配慮してますよと謳っているものも多く出ています。

 

「下部尿路疾患」というのは大きなグループで下部尿路症状を示す膀胱や尿道に起こる病気をまとめた呼び名です。

(下部尿路症状:頻尿、粗相、血尿、排尿障害など)

 

以下のようなものが下部尿路疾患として多い原因になります。

・特発性膀胱炎

・尿路結石

・尿道栓子

・腫瘍

・尿路感染症

 

これらの病気の結果として尿道閉塞(おしっこの通り道である尿道が詰まってしまう状態)が起こることがあります。

 

尿道閉塞で来た場合は状況に応じて血液検査なども並行しつつ、カテーテルなどを用いて閉塞の解除を目指します。難しい場合には手術が必要な場合もあります。

尿道閉塞解除時になんの原因で閉塞していたかを確定するのは難しかったりします。

PPカテーテル

結石がつまるイメージが強い方も多いかと思いますが、いくつかの研究では他の要因によるものが多いことがわかっています。(複数の要因が合わさっている部分もあるとは思います)

 

報告されている論文によって幅はありますが、尿道閉塞の原因としては特発性膀胱炎と尿道栓子が多いです。

(尿道栓子:炎症により尿道からはがれ落ちた細胞、血液、結石の成分などが固まったもの)

(特発性膀胱炎:発症要因としてストレスや体型、食事も考えられているが特定の原因は不明の病気。ヒトの間質性膀胱炎という膀胱痛・頻尿を示す原因不明の難病と似ていると言われています。)

原因

特発性膀胱炎:29-53%

尿道栓子:18-59%

尿路結石:12-29%

 

それぞれの原因に対して治療していくことも重要になりますが再発も多いです。

 

 

症状としては尿が出なくなってからはじめのうちは何度もトイレをしようとしたり(ほとんど出ない)、落ち着きがなく異常な鳴き方をしたりします。

次第に元気食欲が低下し、嘔吐などもみられるようになり、2-3日で死に至る場合もあります。

 

早期に尿道閉塞が解除され、点滴などの適切な処置がなされれば原因疾患にもよりますが比較的予後は良いです。

(予後:病気や治療などについての、医学的な見通しのこと)

 

腎臓へのダメージが残り、慢性腎臓病に進行する場合もありますし、膀胱アトニー(膀胱麻痺)といって膀胱が広がったままで収縮せず自力での排尿ができなくなるようになる可能性があるため、良化傾向でもなにがあるかわかりません。

 

多頭飼いでどの子がおしっこしたのかわからない状況だと、尿道閉塞の場合、数日の様子見で亡くなることもあるのでご注意ください。

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