彦根犬猫病院 Hikone Animal Hospital

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2025年10月21日

ハリネズミのダニ感染症【ダニ画像あり閲覧注意】

こんにちは。獣医師の佐々木です。

 

今回はハリネズミのダニ感染症についてです。

犬や猫でも時折みられますが、ダニの種類はハリネズミとは異なります。

 

ハリネズミの皮膚疾患は非常に多く、飼育下のハリネズミの病気全体の60%程度を占めるといわれています。

そのなかでもダニ感染症は発生頻度が高く、よくみられる疾患です。

 

病気の特徴

特徴としてかゆみやフケ(鱗屑)、脱針の増加がみられます。皮膚状態の悪化に伴い、皮膚が赤くなったり(発赤)、腫れたりします。

ダニの糞と思われる黒いフケのようなものもみられることがあります。

 

診断

ハリネズミの診察は難しく、非協力的でずっと丸まってしまう個体も多いです。

落下したフケ(鱗屑)や針の間のフケをセロハンテープで採取して顕微鏡でダニの虫体や卵を確認します。

通常は容易に発見できますが、少数寄生の場合は見つからないこともあるため、試験的にダニの駆虫薬をつける場合があります。

治療

真菌感染や細菌感染も伴っていることも比較的多いため、同時に真菌の培養をする場合もあります。

ダニ自体の治療としてはセラメクチンやイベルメクチンといった薬を体重に合わせて使用します。

ハリネズミ用の薬はありませんので犬猫用の製品を適応外使用することになります。ご了承ください。

2~4週ごとに数回の薬剤塗布または注射が必要になることが多いです。

 

ダニも真菌感染症も犬や猫と同様にヒトに移ることがある人獣共通感染症ですので十分にご注意ください。

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