彦根犬猫病院 Hikone Animal Hospital

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2023年9月16日

猫の腎性貧血に新しい薬「エポベット」が登場

猫では、慢性腎臓病が進行すると、腎性貧血がおこることが多いです。

 

腎臓はさまざまなホルモンを分泌しており、そのうちのひとつに赤血球をつくるはたらきを促すエリスロポエチン(以下EPOと略)というホルモンがあります。

腎臓のはたらきが低下すると、腎臓からのEPOの分泌が減り、赤血球をつくる能力が低下することで、貧血が起こります。

 

腎性貧血に対しては、EPO製剤や、鉄製剤の投与が必要になります。

 

EPO製剤を注射することで、骨髄の中の赤血球の赤ちゃんとなる細胞を刺激し、分化・増殖をさせ、赤血球の産生を促進します。

 

 

今まで、ヒトのEPO製剤しかありませんでしたが、今月新たにネコのEPO製剤「エポベット」が登場しました。

 

 

 

新しいお薬は、ネコの生体内で分泌されるものと同様のアミノ酸配列を持ち、

従来のヒト製剤より有効率の上昇、抗体産生(←薬が効かなくなる)率の低下が報告されています。

 

投与は2週間に1回になります(皮下注射です)。

 

ネックなのは、従来製剤より高価なことです。

 

今後投与をご希望される方がおられたら購入する予定なので、現在の製剤から切り替えをご検討の方や、腎性貧血の治療についてご質問があるかたは、一度ご相談ください。

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