彦根犬猫病院 Hikone Animal Hospital

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2025年8月24日

エコー検査~脾臓編~

こんにちは。

獣医師の秋山牧子です。

 

お腹のエコー検査について、今まで「胆のう」と「肝臓」についてご紹介しました。

今日は「脾臓(ひぞう)」についてご紹介します。

 

お腹の中の臓器をみる時には、「縦切り」と「横切り」で観察します。

プローブ(手にもつ器具)の持ち方をかえることで、観察する断面をかえることができます。

しっかり調べるために、2つの切り方で、はじからはじまでみます。

病変を発見した際には、その広がりを確認します。

エコーではミリ単位でサイズ測定もできます。

 

(何だと説明しやすいかなーと悩んだ挙句、ナスにしました🍆)

 

脾臓も縦切りと横切りで観察します。

 

脾臓は血液の貯蔵、古い赤血球の破壊、免疫に関するお仕事をしています。

走った時に横腹が痛くなるのは、脾臓が血液を送り出すためにぎゅっと収縮するからだそうです。

 

 

肝臓のエコーの時と同じように、白っぽいか黒っぽいか、大きいか(脾腫の有無)、全体/局所に異常がないかを確認します。

 

健康診断の際に脾臓に異常がみつかることは多いです。

 

脾臓のしこりは、結節性過形成や血腫などの良性病変や、血管肉腫や未分化肉腫、転移などの悪性病変があります。

(血管肉腫については最後にもう少し説明します。)

 

良性でも、大きかったり、表面にしこりができると、表面の膜がやぶれた際に大出血を起こすので、そうした危険性がある場合は脾臓を摘出する必要があります。

 

あるセミナーでは

「お餅が焼けて膨らんできて、パスッと破裂するようなイメージ」

とお話をされていました。

 

脾臓には血液がたくさん入っているので、出血すると命に関わります。

「ぐったりしている」という症状でこられて、歯茎が白く貧血があり、エコー検査をしてお腹の中での出血と脾臓のしこりがみつかり、緊急手術(脾臓摘出)を実施する患者さんもいます。

 

 

猫さんの脾臓のエコーは、2種類のプローブを使います。

普段お腹のエコー検査の時はこのような形のプローブをつかうのですが、

こちらのプローブでも確認します。

下の画像のリニアプローブは、近いところ(おなかの表面に近いところ)をより細かくみることが得意で、

猫さんの脾臓ではとても微細な変化から病気がみつかることもあるので、

このように2種類のプローブでみています。

 

脾臓の異常は、初期は症状としておもてにあらわれないので、

パトロールのように、定期的にお腹をエコーでのぞくと、安心です。

 

 

脾臓にできる病気のなかでも、「血管肉腫」は、とても悪いがんです。

 

進行がはやく、がんを発見して外科手術をしても中央生存期間は1~3ヶ月と、非常に短い数値が出ています。

(手術後に抗がん剤をおこなった場合の中央生存期間は3~8ヶ月です。)

 

この病気に関しては、たとえ半年に一度健康診断をしても、その間にがんができて、進行してしまいます。

じゃあ健康診断は意味がないのかと、悔しい気持ちになりますが、

血管肉腫も、早期発見により治療成績がかわることが報告されているので、なるべく早く発見してあげたいと思います。

 

特に8歳以上から発生が増えますので、中高齢期の動物さんは、画像検査を含めた定期的な健康診断をご検討ください。

 

 

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